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精神保健福祉士として

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精神保健福祉士として

私は会社で働く「障がいのある社員」の支援を担当している精神保健福祉士です。精神保健福祉士とは、社会福祉学を基盤とした社会保障学、心理学、精神医学などの知識を併せ持ち、精神に障がいを抱える人々が、自分らしく社会の中で生きていくことを支援しています。

1997年に制定された「精神保健福祉法」の施行に伴い生まれた名称独占の国家資格です。昔はPSW(Psychiatric Social Worker)と略しましたが、最近ではMHSWと(Mental Health Social Worker)と略すようになりました。 

多くの精神保健福祉士は医療機関や福祉施設で働いています。最近でこそ、企業に精神保健福祉士が在籍しているのは珍しくありませんが、私が12年前に入社した頃は、「企業で働いているの!?」とよく言われたものです。以前は精神科病院や福祉施設で支援業務に携わっており、企業で働いている精神障がいのある人を支援したことはありませんでした。

支援者が働きたいという希望は面談でよく聞かれましたが、その頃は採用面接にいって精神障がい者であることを打ち明けると、断られることが多く、アルバイト等でもお仕事につけることは稀でした。

しかし、障害者雇用促進法が改正され、2006年から精神障がい者も企業の雇用率に含まれるようになり、状況は変わりました。支援している方から「精神科デイケアに通っているけど行きたくない、仕事がしたい」という相談がありました。

支援者の中にはデイケアに毎日いけないのに仕事なんてできないよ、という意見もありましたが、就職活動に挑戦することになりました。すると、学校でデザインを勉強しPCでのデザインのスキルもあったことから、美術館でポスターを作成する仕事に採用されることになりました。

その後暫くして、彼に偶然会うことがあったのですが、「病人」という印象だった彼が、おしゃれなスーツを着たデザイナーさんになっていて、とても感動しました。話し方も覇気のある、通る声で「お久しぶりです」と声をかけてくれた時、一瞬誰だか分からなかった程です。その時の感動を今でも忘れられません。「仕事をする」って、人を変える力がこれほどあるのだと実感した瞬間で、彼の支援者として出会えたことを本当に幸せに思っています。

その後、私は施設を退職し、厚生労働省の精神障害者雇用促進モデル事業を受託したことをきっかけに、今の会社に入社しました。その後も精神障がいのある方が入社してきて、支援させて頂きながら一緒に働いています。

最後に精神保健福祉士はよく、障がいのある方が運転席に座っていたら、車の助手席に座っているようなものだと例えられます。隣で地図を開いて道案内したり、眠くなったらガムを差し出したりもするけど、結局どの道を行くかを決めて、動くのは運転席にいる人だと。これまで沢山の方の車に乗せて頂きました。そして、これからも皆さんが私をどこまでドライブに連れて行ってくれるか楽しみにしています。

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