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私とPCと人との出会い

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私とPCと人との出会い

私がPCに出会ったのは、東京都立光明養護学校高等部2年生のときでした。当時PCは一般家庭には普及しておらず、学校の事務室に数台あったのを記憶しています。
職業科の授業の日には担当の先生が自宅から私物PCを持参してくれました。

授業が開始されて半年が経ち、学園祭シーズンがやってきました。「パソコン通信」を習い始めて間もない私たちに、先生から「三重県立盲学校の学園祭にオンラインで参加してみましょう」と提案がありました。私は提案の意味が良く理解できないまま参加することになりました。そして当日、先生が用意したのは1台のPCとモデム、指示通りに操作していくと「学園祭にようこそ」の文字が次々とモニターに表示され、私はビックリしてしまいました。先生の説明でこれが「チャット」というものだということが初めてわかり、三重県の人たちと会話を楽しみました。会話を楽しんでいるうちに、「相手の人たちは目が不自由なのにどうやってモニターに表示される文字を読むのだろう?」という疑問が湧いてきました。チャットで質問してみると、すぐに返事が返ってきました「音声合成装置を使ってオバサンの様な声で喋るのを聞き取っています」と。その答えを読んだ瞬間、「音声合成装置って?」「私が打った文字が声になって相手に伝わるの?」全身に電気が走るような感動とカルチャーショックを受けました。短い時間でしたが、この経験が私の人生を大きく変えた出来事のはじまりでした。

卒業後、東京コロニー情報処理センターの「東京都重度障害者在宅パソコン講習」を3年間受講しました。情報処理の基礎、プログラミングの基礎などの講習、毎日の連絡や講師への質問、成果物の提出など「パソコン通信」を使って行いました。講習が始まった頃は3年間続けられるかどうか心配でしたが、終ってみればあっという間の出来事でした。

講習修了後は東京都教育委員会から依頼された肢体不自由の養護学校向け教育ソフトの開発などをしました。

世間が「Windows時代」に突入し、マウス無しではパソコンの操作が困難になったときのことです。私は足で市販のマウスを使っていましたが、思い通りの操作が出来ず翼をもぎ取られた鳥になった気分でした。そんなある日、ファミコンのコントローラーの操作を思い出し、友人に「これをマウスにできないかなぁ」と相談したところ、一週間もしないうちに「出来たから家に持っていきます」というメールが届きました。とても嬉しかったです。

カルチャーショックを受けたあの日から30数年のち、現在は三菱商事太陽㈱別府本社と東京の自宅を繋いで、まるで席を並べて仕事しているようにテレワークしています。

私の人生を変えたのは「PC」という道具ではなく、PCを使って知り合った人と人との関わりだと思っています。これからも人との関わりを大切にしていこうと思います。

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